先日、ちょっと浅草へ。
目当ては市川に住んでいた頃によく通った浅草染太郎のお好み焼きを食べに。
まぁ、やっぱり染太郎のお好み焼きは相変わらずで美味しかったんだけど、ちょっと飲みたりなかったんで、
せっかくだからと神谷バーに初めて足を向けてみた。
ところが、日曜日の夜という時間帯が良いのか悪いのか、超満席。
まぁ仕方がないかな、と入り口に向かうと、出るから席が空くよと言って下さるご婦人方。
あ、どうも~、ともう一度中を覗くと、空いている様な席は見当たらない。奥には知り合いを呼んでいるだろう、お爺ちゃんが満面の笑みでこっち!こっち!と手を思いっきり振っている。
…自分らを呼んでくれていたらしいのに気づくのに数秒。。。
明らかに知り合いを呼ぶような無邪気な笑顔で手を振ってくれていたので、自分らの事じゃないと思ったんだよね。
そんな感じで呼ばれるままにいい気分で飲んでいるお爺ちゃんの隣の席に。
注文したのは電気ブラン。でもメニューには2つ並んでいて、安いのを飲んでいたら、
お爺ちゃんがこちらの高い方が本当の電気ブランだよと教えてくれた。
話をしてみると、どうやらちょっとした常連さんらしく、3年前位から通っているらしい。
「前は壁際に常連さん達がいたんだけど、みんな霊界に行っちゃたよ(笑)」なんて笑わせてくれる。
よくよく聞いてみると、そのお爺ちゃんは、昔は誰でも知っている超大手商社の商社マンで、そしてその後はやはり誰でも知っている、大手証券会社勤務だったらしい。そしてその証券会社は10数年前に世の中に大きな話題を振りまきながら、無くなってしまった会社だと言うことは俺でも知っている。
その間にお爺ちゃんに何があったかは知らない。
話の端には鬱病だったとか、2回ほど自ら命を絶とうとしたなんて、
それこそ話の深刻さとは無縁に見える陽気な笑顔で話をしてくれる。
すっごい明るくて、優しい、人懐っこい笑顔。
そんな話をしながら、明日は四谷へホームレスの人たちへのカレーの炊き出しをするのだと言う。
陽気で柔らかい笑顔のちょっと下の胸にキラキラと光る十字架のアクセサリー。
会話の合間に「あーめん」なんてふざけておどけてみせる。
時に宗教は語ることさえ難しい物になってしまう。
でも僕は信ずる物がその聖なる力を以て人を助く事がある事も信じている。
陽気に招いてくれたそのお爺ちゃんの胸の十字架はとてもとても綺麗に光っていた。
そして、誰よりもその笑顔に似合っていた。
2杯ほど飲んだところで、辞す事に。
短い時間だったけどとても楽しかった。
ありがとう、お爺ちゃん。
また会えるといいな。
- 2010/02/04(木) 00:37:50|
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